■副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎皮質機能亢進症は腎臓(尿をつくる臓器)の近くにある副腎という臓器から副腎皮質刺激ホルモン(コルチゾールなど)が過剰に産生されることにより、さまざまな病気を引き起こす疾患です。
副腎皮質からできるホルモンとその作用
1.ミネラルコルチコイド:
Na(ナトリウム)やK(カリウム)の濃度を調節する。
2.糖質コルチコイド(コルチゾール、ステロイド)
血液中の糖の産生や脂肪の合成を促し、また白血球の遊走を抑えて、坑炎症作用を示したりするストレス緩和ホルモンです。
3.性ステロイド(アンドロゲン):男性ホルモン
■症状
- □多飲多尿
- □腹部下垂
- □肝腫大
- □脱毛
- □筋虚弱
- □肥満
- □皮膚結節
- □パンティング
- □感染症
- □神経症状など
■原因
主に、副腎腫瘍によって起こるもの(10-15%)と下垂体の腫瘍により起こるもの(85-91%),また外因性のステロイド薬剤の過剰投与による医原性によって起こるものがあります。
■治療
おもに医原性のもの以外はトリロスタン、ケトコナゾールなどの薬剤を用いて、ステロイドホルモンの産生を抑制することにより症状の改善をはかります。副腎腫瘍の場合、外科手術により、これを摘出する場合もあります。